セミナー

第9回 財団法人一新会セミナー

座長: 相原 一 東京大 教授/(公財)一新会

澤  充 日本大 名誉教授/(公財)一新会

座長挨拶

臨床での色覚検査は仮性同色表、色相配列、混色検査(アノマロスコープ)などがその基本である。検査を的確に行うには検査の原理と限界を理解する必要があり講演1をお願いした。また、学校保健安全法施行規則の一部改正通知に基づき平成28年度から任意の色覚検査実施されている。この1年間の学校での色覚検査の状況と課題について講演2をお願いした。本セミナーが色覚についての理解の深化に資することを期待致しています。

講演1.色覚検査の基礎知識

安間 哲史 安間眼科院長/愛知県眼科医会名誉会長

色覚検査に用いられている仮性同色表やFarnsworth Dichotomous Test D-15 (PD-15)、あるいはアノマロスコープ検査は一見、全く違った検査であるが、これらの検査は全て「混同色線」を基礎にしている。色覚異常を知るためにはこの混同色線を理解することが大切である。 色覚異常の程度判定を行うPD-15は、混同色線に沿った色混同の広がり具合を調べるものである。混同色線に沿って位置を圧縮し、色票キャップを近づけるシミュレーションを行うと再現できる。アノマロスコープは混同色線上の赤・黄・緑の3色を使用しており、赤と緑を混色させた時の混色比とその混色範囲によって色覚異常を診断するものである。また、仮性同色表も混同色線上の色を使用しており、これらの色を適切に配置したパターンを用いて、図をマスキングしている。

講演2.学校健診での色覚検査、1年間の現状

柏井 真理子 柏井眼科院長/(公社)日本眼科医会常任理事

平成14年の学校保健安全法一部改正で定期健康診断の必須項目から色覚検査が削除され、任意検査となった結果多くの学校で実施されなくなった。平成22・23年度日本眼科医会の「色覚異常の受診者に関する実態調査」により、学校での理解や配慮不足、さらに自身の色覚の特性を気づくことなく進学・就職で不利益を受ける等の問題が浮彫となった。平成26年の学校保健安全法施行規則の一部改正通知(留意事項として)に基づき任意の色覚検査がされ始めている。日本眼科医会では各都道府県眼科医会にアンケート調査を実施し平成28年度現在の取組の状況を把握したので報告する。また学校での色覚検査が積極的に実施されている中、事後措置として眼科医療機関を受診する児童生徒が増えている。眼科での適切な色覚検査や指導が大変重要である。児童生徒が自身の色覚の特性を知り、たくましく学校・社会生活を送れるようサポートしていくのが眼科医の責務である。

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